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66 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 00:31:56 ID:lm2P+/P7
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「あの」
吐き出された自分の声が、強く震えているのが解る。
今まで戦ってきたどんな魔物相手でも、此処までのプレッシャーを感じた事は無かったと思う。
「これは、一体どういう」
なんとかそこまで声を絞り出すことが出来た。後は、相手の回答を、待つ。
困ったように頬を赤らめながら微笑む彼女は、ただ一言こう言った。
「プレゼント、や」
戦慄が走る。改めて、目の前に広がる光景を認識する。
それは何故だかとても現実味が無くて、
かといって、夢幻として見なかったことにするにはあまりにも、そうあまりにも、ヤバすぎた。
なぜなら、今私の目の前に居るのは……
『大き目の男物のワイシャツだけを着て、犬耳しっぽを生やし、リボンを首に巻いたお嬢様』
なのだから。
―――
何の変哲もない、いつもの早朝。女子寮の中の一室に、ソレはあった。
外側から見る限り、どこからどうみても大きな箱。
人一人くらいは軽く入れそうで、さらにきれいなラッピングまで施されているその箱は、
住人二人の性格を示すかのようにシンプルなこの部屋の中央で、大きな異彩を放っていた。
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67 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 00:32:46 ID:lm2P+/P7
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「龍宮。これ、何だと思う?」
そんな怪しげな箱を目の前に首をかしげるは、この部屋の住人の一人桜咲刹那。
「プレゼントボックス」
対して、まだ眠そうに欠伸をしながらそれに答えたのはもう一人の住人、龍宮真名。
「それは見れば解る。そうじゃなくて、これが此処に置かれている意図とかだな……」
「今日、何日だ」
「へ?何だ突然。一月の十七日、だったかな」
「何の日だ」
「……ただの平日だったとおもうが」
呆れたような顔でため息をつく龍宮に、
刹那は不思議そうな顔で、壁にかかったカレンダーを見る。
「誕生日じゃないのか?」
「あ。ああ――――!」
言われてやっと思い当たった顔で頷いた。
そう、言われるまで当人がすっかり忘れていたようであるが、今日は刹那の誕生日であった。
「じゃ、じゃあこの大きな箱は私宛ということか?」
「そうだろうな。状況的に」
肩をすくめる龍宮に背を向け、刹那は改めて箱を見る。
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68 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 00:33:59 ID:lm2P+/P7
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「とはいえ、いつの間にこんな大きな物を。就寝中とは言え全然気配を感じなかったぞ」
「さあな。どうやったんだろうな」
「龍宮もきづかなかっ……」
振り向くと、その視線から逃れるように横を向かれる。
考えてみれば、昨晩は愛刀「夕凪」の手入れの後、茶を飲んだあたりから記憶がまったくない。
「……おい」
「ははは、どうやったんだろうな」
なんだその白々しい笑みは!せめてこっちを向いて言え!
そんな気持ちを込めた刹那のジト目をものともせず、龍宮は笑う。
「まさかとは思うが、これはお前からの?」
「いや、それだけは絶対無いから安心しろ。中身も見てない。私は協力しただけだ」
その問いに対しては、振り向いて真顔で返された。
「ああ、そうかそれなら安心……ってやっぱりお前も一枚噛んでたんじゃないか!」
「そこはほら、報酬があれば仕事はするさ」
龍宮は笑いながら洗面所のほうへと歩いていく。
「ま、なんにせよ折角もらった物なんだ。開けてみたらどうだ」
まったく、一体どんな条件でルームメイトを売ったのやら。刹那はため息をつく。
「しかし、睡眠薬に気付けなかったというのはやはり弛んでいたな。気を引き締めなければ」
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