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89 名前: ◆GvbCrZA3mg [sage] 投稿日:2008/05/10(土) 03:00:45 ID:n6E+yFE1
「アイツなら、未だ帰ってきてないが…どうした?」
淡い期待もなくなって、無理やり笑顔作りながら
「そう、なんや、ありがとう、龍宮さん」
ん、と呟くと龍宮さんは再びドアを閉めて中に入っていく音が聞こえた。
…あ、はは、せっちゃん何処へいったんやろ…。
崩れ落ちそうな感じを必死でこらえながら、自分の部屋に戻る。
扉を開いて、部屋の中に入れば、ネギくんとアスナがお帰り、と言ってくれる。
少しだけ、救われたような、不思議な感覚がした。
「あれ、その犬…拾ってきたんですか?」
ネギくんの質問に、せっちゃん似の柴犬が扉の前にいて。
「うん、なんやせっちゃんに似とるきがしてな、入ってきてええよー」
なんや凄く律儀やな…やっぱどっかに飼われてたんやろか?
軽く頷くとタタタッと上がって足拭きマットで足を拭いてから上がってる。
「ほんと、なんとなく似てる気がするわねぇ…あ、あたしもー寝るから」
「う、うん、おやすみやアスナ」
「おやすみなさい、明日菜さん」
「おやすみだぜ姉さん!」
「ワン」
あれ?何でこのワンちゃん…アスナの事知っとるように…気のせいやろか?

90 名前: ◆GvbCrZA3mg [sage] 投稿日:2008/05/10(土) 03:01:22 ID:n6E+yFE1
そうか、もう明日菜さんの眠られる時間か…。
おやすみなさい、といってみたものの、伝わってないのは明白、と…。
カモさんなら…何とか会話できるかもしれない。
…できたとしてどうしようもない。
何にしろ私は今犬で、誰がなんと言おうと桜咲刹那だが…。
変わっていると言った所で、信じてくれないかもしれない。
そんな感情がぐるぐると回って、結局何も出来なくなっていて…。
人の話す言葉がこんなにも大切なものだと、思っても見なかった。
お嬢様に話そうにもこれじゃ無理だ…自分なりに解決出来ないかやってみよう

……と考えたのが間違えだった。
せめてあれだ、人語を話せればよかったんだ。そうすれば札とかも使え…
…いや、もういい、やめておこう…。
八方塞なのは解った、時間がたてば…もしかしたらお嬢様が気付いてくれる。
そう、期待というやつだ、せめて期待して待とう。
…なんだ、果報は寝て待て、というやつだな、うん。
お嬢様はといえばカラ元気を出して
犬用のトイレとかご飯を買わなくてはだとか
名前なんにしよう、とかカモさんとネギ先生とお話なされていた。
…私は、もう寝よう…何にせよ明日は多分、連まわされることになる。

91 名前: ◆GvbCrZA3mg [sage] 投稿日:2008/05/10(土) 03:03:25 ID:n6E+yFE1
部屋の端っこで伏せて眠っているワンちゃん…。
やっぱり雰囲気がせっちゃんに似てる気がする。
もしかして本当にせっちゃんやったりして…、そんなんあるわけないか。
「なぁ、カモくん」
「なんすか?木乃香姉さん」
「さっきアスナに返事するよーに其処のワンちゃんがワンって言うた気がするけど…
なんて言うてたかわかる?」
なんとなく、気になる。…気がする。
「んー?すまねぇ木乃香姉さん、まともに聞いてなかったっすよー」
…そっか…気のせいやよね…。
「ん、ありがとな」
半ば虚ろなまま呟く、どちらにしてもせっちゃんは居らんのやから
…こんなに不安な夜も、久しぶりな気がする。
久しぶり、という表現はおかしいやろうけど…。
あっはは…姿すら見れんのは厳しいな…。

今日を越えれば…戻ってくるかな…。

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