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148 名前: ◆GvbCrZA3mg [sage] 投稿日:2008/05/17(土) 16:47:29 ID:kvixxI8G
せっちゃん、もし見てくれとるのなら。――聞いてくれとるのなら。
ウチの気持ち届いてるといいんやけど…。
そんな事を考えたってせっちゃんは居らん。
それは再確認することないくらい事実が示している。
でもどこかには居る、なんて妙な確信があった。
なんとなく、せっちゃんみたいなワンちゃんもおることやしな。

「せっちゃん困らせすぎたんかな…」

だから、天罰が下ったのかな。
なんて、天罰にしては痛すぎるし、人を不幸にするだけなら疫病神や。
ぐい、と何か引っ張られる、と思ったらワンちゃんがパジャマを引っ張ってて

「どうしたんやろ…?」

ウチが気づくと扉に駆け寄って…、出たいというような素振り。

――ウチ、ワンちゃんにも嫌われてもーたかな…

開けてあげると、体半分だけ出て、ウチが出るのを待っているかのようにお座りする
外に連れ出すつもりなんかな、とか思いながらも上着を羽織って
そういえば散歩行ってなかったやった、なんて思い出してワンちゃんについていった

149 名前: ◆GvbCrZA3mg [sage] 投稿日:2008/05/17(土) 16:48:27 ID:kvixxI8G
朝方の街。
この時間にこの場所を廻るのが日課だ。
勿論お嬢様を連れ出すなど初めての行為。
――まぁ、当の本人は「どこいくんー?」とか言ってますが。

本当なら、人であった時に、見せたかった場所。
まばらな光と、日の出を。

見晴らしの良いこの場所で、日の出を見ることが日課だった。
今日は見せたくて引っ張ってきてしまったが…無理させてるのは解っている。
本来ならお嬢様が眠っておられる時だ。

「わぁぁ…」

感動されている、だろうか。
でも此処を回るのは最後だな。
犬となってしまったならば、仕える意味ではなくペットとしてだ。
このルートをこの時間通る事はなくなる。
やはりお嬢様を無理させるわけには行かない。
たとえこの身がどうなろうと、だ。

150 名前: ◆GvbCrZA3mg [sage] 投稿日:2008/05/17(土) 16:49:10 ID:kvixxI8G
ワンちゃんに、こないな綺麗な光景見せてもらえるなんて。
せっちゃんもこの光景、見とるやろか?
――一緒に、見たかったなぁ…

「なぁ、ワンちゃん」
「クゥ〜ン…?」
「せっちゃん、何処行ったんやろうね」

そういうと、少しワンちゃんはウチから離れると…

「ワォォォォォォーーーーーーーーーーン…」

遠吠えやった。
仲間との連絡に用いるっていう…。
―――仲間がおったんやな。

ウチはこの時知らんかった、この遠吠えがウチへのメッセージやってことに。

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