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322 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/02/07(水) 23:55:21 ID:wijfoCiQ
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「せいっ! やぁ! はっ!」
懸命に剣を振り下ろす自分。
年齢でいえば10歳ぐらいだろうか?
その顔には感情がこもっておらず、何か執念みたいなものを感じた。
そこに師範がやってきた。
そして真剣な顔で、手紙らしきものを自分に渡す。
その中身を見た自分の顔が、急に険しくなったような気がした。
あの手紙はなんだっけ・・・・。
そこまで考えたところで、また記憶はさかのぼった。
これは・・・・8歳ぐらいのときだろうか?
その頃の自分も、ただひたすらに剣をふっていた。
ただ前だけを見つめ、一心不乱に。
しかしその目はまだ輝いていた。
まるで何か、目標があるように。
そう、あの時自分がみていた目標・・・・それはなんだったんだろうか?
なぜ私は剣を握っているんだ・・・・?
――闇は濃さを増し、意識を手放しかけている刹那を包み始めた。
刹那の心を、身体を侵食しようとしていたのだ――。
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323 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/02/07(水) 23:57:11 ID:wijfoCiQ
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さらに記憶の時はさかのぼる。
まだ6歳ぐらいの自分。
まだそれほど剣は強く握り締めてなかった。
はて、どうしてこの頃の自分は剣を握っていないんだろう?
「刹那、出掛けますえ」
「はい、師範。でもどこにいくのですか?」
「近衛家のお屋敷に行きますえ。」
「近衛家・・・・?」
師範に連れられて、大きなお屋敷に来た自分。
目の前には自分と同い年ぐらいの女の子。
あぁ、あの子は――。
「は、はじめまして、せつなです」
「せつな? ・・・・せっちゃんや〜」
「・・・・え?」
「うち、このかや。よろしゅうに〜」
「このか・・・・このちゃん?」
初めてお嬢様と出会った時の記憶。
それは任務の一環だったけれど、私にとってもこのちゃんは初めての友達だった。
初めて剣以外で遊んだ、自分。
凶暴な犬から、初めて友達を守った自分。
そして、川で溺れたお嬢様を守れなかったあの時の、初めての悔しさ。
そうだ、私はだから剣を握るようになったんだ。
お嬢様を、このちゃんを守るために。
ただそれだけの為に、他の友達を作らずにひたすら剣を振っていたんだ。
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324 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/02/07(水) 23:58:05 ID:wijfoCiQ
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――10歳の時に受け取った手紙は、近衛木乃香護衛の任命のモノ。
――8歳の時みていたのは、このちゃんを守るという夢。
・・・・私はここで何をしているんだろう?
こんなところで・・・・寝ているわけにはいかない!!
次の瞬間、刹那は目を見開いた。
木乃香の護衛に戻るため、このちゃんの傍に帰るため。
だが、闇は刹那を離そうとしなかった。
「ええい、離せ、離せーー!!」
夕凪に手を伸ばすが、濃厚な闇にそれを拒まれた。
刹那は剣を振るうこともできず、ただ渾身の力を込めて闇を振り払おうとするしかできなかった。
「私はこのちゃんの元に帰るんだ!! 貴様なんぞに捕まっている暇はない!!」
――・・・・うん、そうやね! せっちゃん待っててな! ウチが絶対助け出すえ!――
空から一筋の光が伸びてきた。
木乃香の希望の光が、刹那の不屈の心が。
今結ばれた瞬間だった。
光が闇を怯ませる。
その隙をついて刹那は、夕凪を強く握り締めた。
「私たちの勝ちだ・・・・! 神鳴流奥義 滅殺斬空斬魔閃!!」
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