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761 名前:もしも明日菜が生き返っていなかったら?〜刹那side〜[sage] 投稿日:2007/03/02(金) 17:50:26 ID:+Ny0EsPa

*

――お嬢様はもう部屋に居る様だ。
しかし気掛かりが一つ、部屋に気配が3つある。
おそらく龍宮と楓のものだと思うが、聞き耳を立てても会話の内容が聞き取れない。
何かしら魔術がかけられているのだろうか・・・・。

1時間ほど経って、玄関が開く音がした。
案の定、来客は龍宮と楓だったようだ。
二人はお嬢様に「お大事に」というと、部屋を出ていった。
ただのお見舞いだったのか?

・・・・ここ最近、お嬢様の事がわからなくなってきている。
今日は一体何をしていたのだろう?
楓との会話の事、エヴァンジェリンさんの家での事、そしてお嬢様の部屋での事。
私にはお嬢様に何があったのかまったくわからなく、その為に妙な苛立ちを感じていた。
それと同時に、知りたいという気持ちが沸き上がってくる。

(私は此処に居ます・・・・気付いてください・・・・)

封じていたはずの心がまた騒ぎ出していた。

762 名前:もしも明日菜が生き返っていなかったら?〜刹那side〜[sage] 投稿日:2007/03/02(金) 17:51:01 ID:+Ny0EsPa

(会いに行きたい・・・・抱き締めたい・・・・)
(一度手に入れたあの温もりをもう一度・・・・)

胸で疼く苦しみ。
木の上で少し耐えたが、それは止まる事なく・・・・いつしか私は飛び立っていた。
まとわりつく欲望を振り払うように。
・・・・あぁ、この翼でお嬢様を連れ去る事ができたら、どんなに喜ばしいことだろう。
身分も任務も関係なく、二人だけの世界に飛び立つ事ができたなら・・・・。

自ら望んだはずの、今のこの立場。
しかしそれは自らの歯車を狂わす選択だったようだ・・・・。
それに気付くには、もう遅すぎた・・・・もう、戻れない・・・・。

763 名前:もしも明日菜が生き返っていなかったら?〜刹那side〜[sage] 投稿日:2007/03/02(金) 17:51:55 ID:+Ny0EsPa

*

――気がつくともう夜が更けていた。
どうやらあのあと、力尽きて寝てしまったらしい。
木の上だから寝た気はしないが、これも自分への戒め。
お嬢様だけ辛い想いをさせるわけにはいかないという、自分への。

「今夜も夜通しで護衛を・・・・むっ!?」

直後、お嬢様の部屋方面から魔力がほとばしる。
何かあったのかと思って走り出そうとしたが、その前に私の身が光で包まれた。

「・・・・っ!?」

光が治まったと思ったら、私は明るい室内に居た。
ここは・・・・お嬢様の部屋?
そこまで考えたところで、私の顔面に向かって何かが飛んでくる。
普段なら剣で弾くところだが、気が動転していた私はそれを手で掴んでしまった。

「うっ!? ケホッケホッ・・・・!」

しまった、目潰し・・・・!
即座に目に頼らないで行動をしようとしたが、投げた相手も達人のようで一瞬の隙を突かれた。
肩を強く押され、バランスを崩して後ろに転ぶ。
後ろにはベッドの柱があり、それに思いっきりぶつかってしまった。

764 名前:もしも明日菜が生き返っていなかったら?〜刹那side〜[sage] 投稿日:2007/03/02(金) 17:52:36 ID:+Ny0EsPa

ガチャリッ

そして間髪入れず響いた金属音。
一瞬遅れて、両腕の自由を奪われたことに気付く。

「・・・・なっ、これは!?」
「ふふ、すまんな刹那」

後ろに居たのは龍宮だった。
前方を見ると、のほほんと笑っている楓。
・・・・共犯と言うことか。
一気に頭に血が上る。

「龍宮に楓! これはどういうことだ!」
「仕事だ」
「近衛さまに依頼されたでござるよ〜、ニンニン♪」
「え、お嬢様・・・・!?」

よくみると、楓の後方にお嬢様の姿があった。
お嬢様がこの二人のクライアント・・・・?

お嬢様は繋がれて動けない私に、ゆっくりと近づいてくる。
・・・・私はなんともいえない威圧感を感じていた。

「どうやら、もう大丈夫のようでござるな」
「私たちは立ち去るとしよう」
「うん、ありがとな〜二人とも!」

お嬢様は二人に満面の笑みで手を振る。
・・・・二人は、立ち去る前に机の上に目をやった。
そこには鞭とクナイ・・・・ご、拷問器具・・・・?

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管理人:虚武僧
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