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267 名前:お手入れ[sage] 投稿日:2007/04/06(金) 22:03:24 ID:f8GYr717

「・・・・近衛」
「ほえ、なに?」

各自着替えようと散ったところに、龍宮が木乃香に声をかけた。

「刹那の機嫌が悪いというのは本当でな。あと体調を崩し易い時期でもあるんだ」
「そうなんや・・・・」
「もし暇なら・・・・会いに行ってやるといい」
「・・・・うん、そうするわ」
「では、私は仕事があるので」

龍宮はそれだけ伝えると、踵を返してその場を去った。
その龍宮を見ながら、木乃香は嫉妬に似たものを感じる。

(うち・・・・せっちゃんの事知らないんやなぁ)

少しの間ショックを受けていた木乃香だったが、チャイムの鳴る音で我にかえる。
そして急いで着替えると、寮へと走り出すのであった。

268 名前:お手入れ[sage] 投稿日:2007/04/06(金) 22:04:12 ID:f8GYr717

*

「う〜・・・・ダメだっ!」

一方、刹那は寮にて一人で悶えていた。
ベッドの上で寝返りをうち、落ち着かない。

「まぁ・・・・龍宮も帰りは遅いし・・・・」

刹那はベッドから飛び降りると、部屋のカーテンを閉め、上の服を脱ぐ。
そして、ばさぁっと羽音が部屋に響く。
刹那の背中に現れたのは、烏族の血をひく証である白い翼。
そして刹那は、その翼にブラシをかけ始めた。

「この時期は痒くてつらい・・・・」

それは血筋ゆえの悩み。
暖かくなってくるこの季節に、烏族は換羽の時期を向かえる。
それはハーフの刹那も例外ではない。
むずむずとした痒みで夜も寝れない為に、ストレスも溜ってしまうのだ。
体力も消耗するので、ちょっとしたことで体調も崩し易い。

「さすがにこればかりは、我慢するしかないからな・・・・うぅ・・・・」

ばさっ!

大きく翼を羽ばたかせる。
その反動で、羽根が数本抜けた。

269 名前:お手入れ[sage] 投稿日:2007/04/06(金) 22:04:55 ID:f8GYr717

「と、届かない・・・・っ」

大きな翼である為に、手で届く範囲に限りがある。
痒い所に手が届かず、刹那はうな垂れた。

「せっちゃーん、おる〜?」
「わひゃいっ!?」

どうしようかと考えているところに木乃香が訪れ、間の抜けた返事となる。
慌ててドアを開けようとしたが、今の自分の状態を思いだした。
・・・・上の服を着てない状態で、翼は出しっぱなし。
この状態で出るのは明らかにまずい。

「ちょ、ちょっとお待ちください!」
「? うん・・・・」

慌てて翼をしまい、服を着る。
わずかな間だったが、その間を木乃香は疑問に思った。

「・・・・お待たせしました」
「お邪魔してええ〜?」
「はい、どうぞ。お茶を出しますね」

いつもとなんら変わらぬ刹那。
本当に龍宮の言うとおり、機嫌の悪い時期なのだろうか・・・・と木乃香は思う。

(うちの前では無理してるんかな・・・・)

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