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299 名前:週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』[sage] 投稿日:2007/06/16(土) 01:19:09 ID:XPv3bSqJ

(嫌や・・・・どないすればええの・・・・? せっちゃん、どうなってもうたの・・・・?)

――ピーンポーン

「はーい?」

突如鳴った玄関のベルに、明日菜が立ち上がった。
木乃香は一瞬期待して上体を起こしたが、玄関から聞こえてくる声で刹那でないとわかり再び寝転がる。

「このか〜、本屋ちゃんたちが来たよ」
「このかさん、大丈夫ですか――?」
「・・・・相当、きてるですね」
「あらら〜」

図書館組が訪れた理由は、刹那についてだった。
いい加減この状況に痺れを切らした夕映が、打開の作戦を持ち出したのである。
相手の名前さえわかればその人の心が覗ける、のどかのアーティファクトを使うと言い出したのだ。

「・・・・のどかの本で、せっちゃんの心を覗くん・・・・?」
「このままでは埒があかないので、もう強行突破してしまおうというわけです」
「わ、私は・・・・このかさんの判断次第で協力、しますけど・・・・」

木乃香は俯いて考え込む。
人の心を勝手に読むのは、最低な事だと思う。
かといって、このままの状況は正直言って辛い。
明日菜がいくら問い詰めても何も言わない刹那・・・・確かにこれしか方法はない。

「うん・・・・やってみよ」
「よしきた! さっき確認したらまだ刹那さんは寮にいるから、今のうちに覗いちゃおう!」
「のどか、よろしくです」
「は、はい――」

315 名前:週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』[sage] 投稿日:2007/06/16(土) 23:48:43 ID:XPv3bSqJ

ネギと明日菜を含む六人は、室内にいるであろう刹那に気付かれないように刹那の部屋に向かう。
就寝時間も近いからか、廊下にほとんど人影はなかった。

「後の問題は、誰が刹那さんに問いかけるかです」
「それなら私がやるわよ、いつも通り聞けばいいんでしょ?」
「う、ウチもいく・・・・!」
「じゃ、アスナとこのかでよろしくね。・・・・そろそろ覗けるんじゃない?」

明日菜と木乃香は、刹那の部屋に向かって歩き出した。
のどかもアーティファクトを取り出し、読心術の準備をする。

・・・・しかしここで、予想外の事態が起きてしまった。

「えーと〜・・・・"桜咲刹那"」
「・・・・呼びましたか?」
『えっ!?』

残っていたの四人が、一斉に後ろを向く。
そこには部屋にいると思っていた刹那が立っていた。
のどかはとっさにハルナとネギの後ろに隠れ、アーティファクトが刹那に見えないようにする。
さらにその後ろにいるのは夕映。

「せ、刹那さん、何をしてたんですか?」
「私は見まわりです。ネギ先生たちは何を?」
「そ、それはねぇ・・・・」

316 名前:週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』[sage] 投稿日:2007/06/16(土) 23:49:41 ID:XPv3bSqJ

ネギとハルナが時間を稼いでいる間に、夕映がのどかに合図をする。
それに答えて頷くのどか・・・・読心術の準備はできているようだ。
予想外にターゲットが近いが、"これはここで作戦を実行するべきだ"と夕映は判断した。

「刹那さん、お聞きします」
「はい?」
「なぜ、あなたはこのかさんを避けるのですか?」
「・・・・皆さんには、関係のないこと――あっ!?」
「あ、やっばい!」

ハルナがのどかのアーティファクトを覗こうと動いてしまった。
それにより、刹那はアーティファクトの存在に気付く。
しかし時は遅く、刹那の心が日記に記されていく――。

「ちょっとハルナ〜、刹那さんいないじゃない――」
「――きゃああぁぁ!?」

――ザンッ!!

「・・・・せっちゃん!? なにしとるん!?」
「っ・・・・!」

刹那の不在で戻ってきた明日菜と木乃香が見たもの。
それはのどかを・・・・正確にはのどかのアーティファクトを、夕凪で切り裂く刹那の姿だった。
まさか刹那がクラスメイトに刃を向けるとは思っていなかった夕映は、想定外の事に何も言う事ができない。
のどかは刃を向けられたショックで、地面に座りこんでしまった。
ハルナとネギも、突然の展開に驚いて立ち尽くしていた。

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