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102 名前:記憶喪失[sage] 投稿日:2007/08/17(金) 01:44:28 ID:hH8Mhz7r

「学園長先生にも話して、どうするかを決めないとね」
「・・・・うん、ウチおじいちゃんに言うてくる・・・・」
「わ、私も・・・・!」

木乃香と明日菜は学園長の元に向かった。
その足取りは重く、雰囲気は暗い。
しかし全てを忘れた刹那だけは苦しみも悲しみも無く、ただ静かに窓の先を見ていた。

*

「刹那君には色々と頑張ってもらってるからの、今まで通り学園生活を送ってもらってもいっこうに構わんよ」
「ありがとな、おじいちゃん・・・・」

学園長の部屋に来た二人は、全てを素直に話した。
明日菜が魔法生徒の資格を持っていないにも関わらず、無理を言って刹那の仕事に同行した事。
それを知らなかった木乃香が、後をつけて立ち入り禁止の森に立ち入ってしまった事。
そして・・・・刹那が木乃香をかばって記憶喪失になった事。
過ちを犯した二人は怒鳴られる事を覚悟で話したが、学園長は怒らなかった。
二人が何よりも反省している事を感じ取ったからだ。

――コンコン

「失礼します、学園長先生」
「し、失礼します・・・・」
「高畑先生に・・・・刹那さん?」

ちょうど全てを話し終えたところを見計らい、高畑が刹那を連れてきた。

103 名前:記憶喪失[sage] 投稿日:2007/08/17(金) 01:45:21 ID:hH8Mhz7r

「高畑先生、後はワシが引き受けよう」
「はい、では僕は他の仕事がありますので」

高畑は後を学園長に任せ、立ち去る。
その際に、木乃香と明日菜に何かを耳打ちした。

「え、えーと・・・・」
「せっちゃん、身体はもう大丈夫?」
「あ、はい」

刹那は知らない空間にしばらく戸惑っていた。
しかし木乃香が近づくと、少し落ち着きを取り戻す。
病院で目を覚ましてから一番最初に仲良くなったので、若干心を開いているようだった。

「さて、刹那君」
「は、はい」
「これからの事なんじゃが・・・・不安かもしれないが、ワシらに任せてくれんかね?」

学園長の申し出に、刹那は少し考える。
しかし刹那は何も覚えてないうえに、身寄りが無いと知らされているので他に頼れるものはない。

「・・・・はい、お任せします」

考えるだけ無駄だと刹那は判断し、その申し出を承諾した。

*

104 名前:記憶喪失[sage] 投稿日:2007/08/17(金) 01:48:29 ID:hH8Mhz7r

学園長と話を終えた後、明日菜と木乃香、刹那の三人は寮に向かっていた。
その間に明日菜と木乃香は刹那に、学園の事を話す。

「このかさん達とここに通っていたのですか・・・・とても良い所ですね」

さも新しい物を見るかのように、刹那は周りを見渡す。
記憶を失ってからの刹那は、木乃香の事も敬称をつけて呼んでいた。
そんな刹那を、木乃香は複雑な顔で見つめる。
今の刹那にとってどのような環境がいいのか・・・・木乃香は迷っていた。

「せっちゃんは――きゃっ」
「このかさん!?」

よそ見をしていた木乃香は、階段でつまずいた。
その悲鳴に刹那はいち早く反応する。
刹那は木乃香を助けようと踏み込んだ――。

――ダン!

「・・・・え?」

瞬動術とまではいかないが、刹那は無意識の内に"気"を使っていた。
そしてそれを制御できず・・・・踏み止まる事ができないまま、刹那は木乃香を抱えて階段を転げ落ちた。

「せ、せっちゃん!? 大丈夫!?」
「は、はい・・・・痛っ!」

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