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275 名前:ホスト 二日目[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 23:41:06 ID:UWM67J3y

刹那の動揺に女生徒達も気付き、ニヤリと怪しげな笑いを浮かべて近づいてきた。

「あら、図星?」
「なっ・・・・違・・・・」
「じゃあなんで動揺してるのかしら? 麻帆良祭でもイカサマな映像で皆をだまして・・・・」
「ちょっと容姿がいいからって今度はホスト? 笑っちゃうわね、生意気よ」

刹那は歯を食いしばる。
これが精神的の攻撃だとは気付いている。
神鳴流として訓練を受けている刹那は、この程度でくじけはしない。
しかし修学旅行を経てから、段々と他人との壁が薄くなってきていた刹那の心は、確実にダメージを受けていた。
相手は、その刹那に触れる事ができる距離まで近づいてくる。

「そんなんじゃ・・・・あの学園長の孫にも愛想を尽かされるわね」
「・・・・そんなこと・・・・」
「まぁ、もう二度と人前に出れない身体にしてあげるけど」
「――っ!?」

不意に刹那の右腕に、鋭い痛みが走った。
相手の手には、光る物が握られている。
その先端には、赤い液体が見えた。

「やらせの武道会で勝ち残った実力で、この人数はどう?」

(――やられた・・・・)

276 名前:ホスト 二日目[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 23:42:11 ID:UWM67J3y

思考の波に飲まれていたからといっても、神鳴流が敵意を持つ相手の接近をここまで許してしまうとは。
刹那は相手から離れ、臨戦体勢に入る。
よくよく周りを探ると、まだ物影に伏兵がいるらしい。

(全員一般人・・・・力を使うわけにはいかない・・・・)

過去に刹那は、鬼100体を相手に「チンピラ100人を相手にする程度」と言った事がある。
チンピラが100人いたところで、刹那はそれに勝る力を持っているのだ。
しかし・・・・それはあくまで、力を使った状態での事。
今回の状態ならば、鬼20体ほどを力無しで相手するのと同じといったところだ。

(これは、ちょっとまずいかな・・・・)

相手は全員、得物を持っている。
しかし今の刹那には、得物といえる物は何もなかった。

*

「ちょっとー、刹那さんまだ!?」
「もう休憩時間終わってるのに・・・・」
「休憩室にいないよ〜!」
「せっちゃん・・・・」

30分経った後も、刹那は戻ってこなかった。
あの刹那が時間を守らないのは珍しい。
さすがに木乃香も不安を感じる。

「このか、ちょっといい?」
「ん〜? 朝倉さん、どないしたん?」

277 名前:ホスト 二日目[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 23:44:10 ID:UWM67J3y

刹那が気になって仕事に身が入らない木乃香は、朝倉に誰もいない準備室に呼び出された。

「友達がね、刹那さんを見たって」
「え、どこに!?」
「それが・・・・あんまり良い噂を聞かない連中についてったみたいで・・・・」

木乃香の顔から血の気が引いた。
あれほど気をつけろと言っておいたのに。
特に良い噂を聞かない連中というのだから、刹那が何かをされている可能性もある。

「朝倉さん・・・・相手は一般人?」
「私の情報網だとそうだね。高等部の女不良グループ」
「・・・・せっちゃんは、どこ?」
「第三校舎の屋上だって・・・・って、このか!?」
「ウチの仕事、少し引き受けとって!」

木乃香は走った。
例え刹那でも、相手が一般人であり女性であるならば本気は出せない。
集団であれば尚更だ。
魔法の力を知られる危険性が増えるので、身動きが取りにくくなる。

(せっちゃん、無事でいて・・・・)

次の角を曲がれば第三校舎。
木乃香は周りに注意せず、一気に曲がった。

278 名前:ホスト 二日目[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 23:45:50 ID:UWM67J3y
――ドンッ

「きゃっ」
「うわっ」

木乃香は、向こうから走ってきた誰かにぶつかってしまった。
向こうの方が勢いがあった為にはじかれる。
木乃香は地面に叩きつけられるのを覚悟した・・・・が、相手に抱き支えられて怪我をする事はなかった。

「だ、大丈夫ですか・・・・って、お嬢様っ!?」
「せ、せっちゃん! 大丈夫!?」

相手は、木乃香が探していた刹那だった。
刹那の服はボロボロであり、何かがあったのは一目瞭然。
木乃香は慌てて刹那の上着をめくり、怪我を探した。
・・・・そして、右腕から血が滲んでいるのを見つけた。

「・・・・あ、あの・・・・」
「・・・・せっちゃんのばか。これどうしたん?」
「その、喧嘩を売られて・・・・一般人だったので油断してしまいました」

木乃香は大したほどの怪我ではないのを確認し、ほっと一息ついて刹那を抱きしめる。
刹那は怪我をしてない方の腕で、木乃香を抱き返した。

「・・・・心配した」
「ごめんなさい・・・・その、仕事かと思ってしまって・・・・」
「気をつけてって、言うたやん・・・・」

二人は誰もいない校舎の裏側に周る。
木乃香は刹那の上着を脱がせ、治癒魔法を唱えた。
刹那は黙って治癒魔法を受け入れる。
その間、刹那の表情は曇ったままだった。

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