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460 名前:5/13  ◆yuri0euJXw [sage] 投稿日:2008/09/07(日) 22:18:46 ID:99NT2JeF
アスナの意味ありげな視線を全身で感じながら,頑なに刹那はアスナと視線を合わせないようにしていた。
じっとりと手のひらが汗ばんでくるが,今動いたら負けだと刹那は心の中で呪文のように唱えていた。
そのときの木乃香の様子を思い出して,アスナはその様子を刹那に説明した。

◇◆◇

部屋にはアスナと木乃香しかいない。夕食には時間が早く,二人ともお茶とおやつを片手にゆっくりと
くつろいでいた。雑誌を眺めていたアスナに,お茶をすすりながら木乃香が口を開いた。

「あんなぁ,アスナ‥。」
「ん‥なぁに?」

お茶をすすりながら,何気なく木乃香はアスナに声をかけた。アスナも雑誌に目を向けたまま,何気なく答える。

「ネギ君とディープキスしたとき,どんな感じやったん?」
「ん‥‥そうねぇ‥‥‥って,ええええっっぇっぇっぇっぇぇ!!!」
「何よ!急に,そんな昔のこと‥‥。」

読んでいた雑誌を払い飛ばして,アスナは動揺を隠せずに木乃香に詰め寄る。

「あんとき,うちもアスナも動揺しとったし,なんか色々ごたごたしてたからよう聞かれへんかったけど。うちな,一回聞いてみたかったんや。だって凄かったぇ?ネギ君のキス。やっぱ10歳でも英国紳士はキスが上手なん?」

興味津々という表情で木乃香は悪びれもなく聞いてくる。今はネギもいないし,他に人もいない。絶好のチャンスと思ったのか
ウキウキして非常に愉しそうだった。袖で顔を隠しアスナは誤魔化そうとしたが,木乃香の追及の手は中々止まなかった。
アスナにしか聞けないことでどうしても知りたいと木乃香は懇願する。このお姫様のおねだりにはアスナも弱かった。

「真面目に答えなきゃダメ?」
「そやな〜,嫌ならええんやけど,教えてくれんのやったら‥‥」
「やったら?」
「‥‥うちがアスナの代わりにネギ君と添い寝したろかな〜?」

461 名前:6/13  ◆yuri0euJXw [sage] 投稿日:2008/09/07(日) 22:19:18 ID:99NT2JeF
ネギ君寝ぼけてうちにもアスナみたいにムチュッとしてくれるかもしれへんし〜,とウキウキしながら木乃香は言う。
木乃香の反応に呆れ,項垂れたままアスナは木乃香を諭す。

「‥‥‥木乃香やめときなよ。あいつホントにキス魔だし。」
「やっぱりそうなん?アスナってほんまネギ君とようキスしとるんやねぇ〜?」
「!‥‥‥。//////」

やや墓穴を掘り気味のアスナであった。木乃香は楽しそうに同居人をからかう。

「ねぇ〜アスナ〜。心配せんでもうちが興味あるんはキスのほうや。ネギ君ちゃうで?」
「ムキ〜!!なんで私がそんなこと気にしなきゃいけないのよ〜。ネギとはそんなんじゃないんだから〜。」

ガキよガキ!あいつはガキなの!!っと,ゼーハーと荒い息をしつつ一騒ぎが終わりを告げた。二人とも深呼吸して落ち着いたところで本題にはいる。

「‥‥仕方ないわね。でもどんなだったかなんてとてもじゃないけど言えないわよ。」
「ん〜。それじゃ,うちにシてくれる?」
「ばっっ馬鹿なこと言ってんじゃないわよ〜!!」
「ええやんけち。減るもんやないし。」
「そう言う問題じゃないでしょ!!!(汗」

おっとりとしたお嬢様は,時々とんでもないことを平気で口にする。さすがのアスナでも木乃香にディープキスはちょっと抵抗があった。
なんとか木乃香に勘弁してもらって,お互いに最大限譲歩した結果,もう少し具体的に話すことで合意した。

「う〜ん。具体的にか〜。そやな〜。」
「う‥‥うん。なに?」
「あんなに気持ち良さそうにキスするんには,どやって舌絡めたらええのん?」

アスナ撃沈。

462 名前:7/13  ◆yuri0euJXw [sage] 投稿日:2008/09/07(日) 22:19:50 ID:99NT2JeF
「こ〜の〜か〜。」
「せやかて,具体的にってゆうたや〜ん。」
「ちょっ,具体的過ぎるのよ!!!せめて‥‥もうすこしソフトな質問にしてよ‥。」
「んもう。難しいなぁ。なら,一問一答や!ずばりキスされてる時,ええ気持ちやった?」
「!!!!!!!」
「あ〜ん。アスナ〜,ちゃんと答えてや〜。」

木乃香はアスナの両手を自分の両手で包み込み,ぎゅっと握り締める。表情は愉快そうにニコニコしているが,その目には真摯な色合いが含まれていた。

「あ‥‥‥。」

(気持ちよかったかなんて‥‥。)

アスナは困惑する。あの時は世界樹の魔力のせいでネギがおかしくなって,キスターミネーターと化したネギからのどかを守るのに必死だった。
あの刹那でさえ,そう簡単にはネギを捕えることはできなかったのだ。勢いあまって自分にキスしてからにしろなどど言ってしまって,
とんでもない結果に終わった。今改めて振り返ってみると,あの時は必死で何が起きたのかよくわからなかった。
友人達が見守る中,気の遠くなるような鮮烈な感覚が全身を支配して,抵抗する力なんかほとんどなかった。
もっと正確に言うと,あのキスはアスナから抵抗する意志すら奪い去っていた。
後から自分がどんな目に会ったのか理解して,死ぬほど恥かしかったが‥‥。アスナは認めたくなかった。でもたった一つだけははっきりしていた。

(でも‥‥‥嫌じゃなかった‥‥‥。)

あのキスがどうだったかなんて,言葉では表現しきれない。ネギだから良かったとかそういうわけでもなかった。
でも相手がネギじゃなかったら想像することすらできない。あの全身を支配する甘美な感覚。頭の中が蕩けそうになって全身から力が抜けていく。
まるで強大な魔力が全身に満ちたみたいな‥。そして口の中の敏感なところを舌で弄られて,しびれて‥‥。

(/////‥‥き‥‥‥気持ち良かった。)

アスナは自分の回想から導き出された感想に,全身から湯気が出てしまいそうなくらいの高揚感を感じた。全身が熱くなっていく。
顔がみるみる赤くなっていくのを自分でも感じた。あまりの恥かしさに木乃香に顔を見られるのもはばかられ、慌てて顔を伏せた。

463 名前:8/13  ◆yuri0euJXw [sage] 投稿日:2008/09/07(日) 22:20:24 ID:99NT2JeF
「アスナ‥。」
「/////‥誰にも言わないでね。‥‥‥‥信じられないくらい‥‥‥‥‥気持ち良かった‥‥。」

プスプスとオーバーヒートする音が聞こえそうなアスナからもたらされた正直な告白を,木乃香はその胸に大切に受けとめていた。

◇◆◇

刹那にここまで詳しくはさすがのアスナも話せなかったが,それとなく雰囲気を伝えていた。

「‥‥‥というわけでね。」

とアスナは刹那に説明し終えた。刹那は,話しの具体的さにやや困惑するところもあったがじっと話に耳を傾けていた。

「木乃香も刹那さんも私だって,お年頃ですからそりゃ興味あるわよね〜。でも‥‥。」
「あははは。‥‥それだけあのシーンは私達にとって刺激的過ぎたってことですよ。」

なんでこうもまとまって二人とも同じこと聞いてくるのよとアスナは言う。刹那はやや荒れ気味のアスナを微笑みながら宥めていた。
キス談義も一区切りしたところで,二人とも戻る準備をしていると,遠くの方から二人に近付いてくる一人の人影。

「ふたりとも修行ご苦労様♪」

話題のお姫様の登場だった。手には二人分のお弁当を携え,ニコニコと微笑んで手渡した。

「はい,せっちゃん。うちの愛情が一杯詰まっとるからな♪」
「いつもありがとうございます,お嬢様。おいしく頂戴させていただきます。」

木乃香は殊の外笑顔で刹那に弁当を手渡す。

「ほな,いこか。」

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