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589 名前:ネギま×銀魂[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 12:38:52 ID:8rvNSYen
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「せっちゃん、行ってみん?」
「えぇ?しかし…」
「ウチせっちゃんの剣道やってるとこ見たいし…部長さんが譲って下さっとるんなら」
「お願いします」
部員も頭を下げる。こうなると刹那に断ることは出来ない。
もともと頼みごとはあまり断らない性格なのだし、ここまで頼まれているのに無理矢理断ろうとも思わない。
「分かりました。お引き受けします」
刹那が返事をすると、部員は嬉しそうな表情になった。木乃香もくすりと笑う。
「せっちゃんがかっこいいとこ、見れるなぁ」
「お嬢様…///」
着替えをして柔剣道場に入ると、おそらく他校の剣道部員だという5人がいた。
そのうち4人はもう手合いを終えたらしく、汗を拭ったり麻帆良の剣道部員と談笑をしたりしている。
(ということは…あの人が私と手合いをするという…)
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590 名前:ネギま×銀魂[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 12:40:20 ID:8rvNSYen
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刹那は、床に竹刀の先をつけて立っている、小柄な人物を見て思った。
防具は付けていなく、胴着と袴だけだ。
と、木乃香がその人物を見てあっと声を上げる。
「せっちゃん。この前見たせっちゃんに似てる人や」
「え?」
「やっぱり剣道やっとったんやな〜。まさかまた会えるなんて思わんかったなぁ」
高校生やったんか、と木乃香が呟く。
刹那はまじまじとその生徒を見た。
長い黒髪をポニーテールにして括っていて、顔は中性的だが整っていた。
ぱっと見では少年のようにも見えるのだが、どうやら女生徒のようだ。
あまり顔に表情を出さない方らしい。
時々麻帆良の部員が何かを話し掛けても、無愛想なわけではないのだが、表情を変えずに対応している。
だいぶ小柄で、なるほど身長は刹那と同じくらいだろう。
木乃香が中学生だと思っても無理はない。
だがその生徒を見たとき最も印象に残るのは、その左目だろう。
怪我でもしているのか左目は眼帯に覆われていた。
「遅れてすみません」
刹那が声をかけて軽く頭を下げる。その生徒も、刹那に気付いて頭を下げた。
その動きはしっかりとしていて、「なるほど、出来るかもしれない」と刹那は少し気を引き締める。
総部長が確認を取るようにその生徒に歩み寄った。
「防具は付けなくてもよろしいですか?」
「大丈夫です。…あぁ、こちらの部員の方は」
「桜咲も防具はいいでしょう。では、そのままということで」
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591 名前:ネギま×銀魂[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 12:43:31 ID:+O5gKVN1
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いいよな?と総部長が刹那を見る。刹那は頷いた。
刹那は近くの部員から竹刀を受け取って、位置に付いた。
相手の生徒も竹刀を持って位置に立つ。
「お願いします」
「お願いします」
互いに挨拶をし、竹刀を構える。
やはりその構えを見てもなかなかの使い手であるようだった。
空気がぴんと張り詰めているように見える。
周りでは、緊張した様子で部員達が見ている。
その中に木乃香も混じっているのを横目で見付け、刹那は少し顔を紅潮させた。
これでは不様に負けるわけにはいかない。
「始め!」
総部長の声で、刹那は勢いよく前に出て打ち込む。
最初の一撃を入れてしまおうと思ったのだ。
本気で入れようと思えば刹那はそれだけで総部長にすら勝つことが出来る。
だが絶対に入ると思った小手への一撃は相手の竹刀で防がれた。
(何!)刹那は少し驚いた。
何しろ年上であろうと、プロの剣士である刹那の一撃を受け止められる者など、ただの剣道部員にはほとんどいない。
少し気を抜いてしまった瞬間、相手の竹刀が閃いて、真っ直ぐに刹那の胴に入る。
(しま…っ!)慌てて防ごうとするが、相手の一撃があまりに速くて対応しきれなかった。
胴に直接竹刀が入り、防具をしているときとは違う鈍い音が響く。
「…あ…」
手加減されていたため、痛みはそれほどでもなかったのだが、思わず刹那は小さく声を上げてしまった。
「止め!」
総部長が止めをかける。
こんなに早く1本入れられるなど思っていなかった…刹那は信じられない気持ちで相手を見る。
相手は、相変わらず表情を変えずに刹那を見ていた。
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592 名前:ネギま×銀魂[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 12:45:02 ID:+O5gKVN1
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「せっちゃんが1本取られるとは思わんかったなぁ」
「…面目ないです…」
結局3本勝負のうち2本は刹那が取り、最終的には刹那が勝ったのだが、その試合はいつもよりだいぶ長いものだった。
さすがに「気」は使ってはいないものの、刹那としてはかなり危ういところで勝てたという感じだ。
反省しながら、木乃香からのタオルを受け取る。
相手の生徒も刹那と同じくタオルで汗を拭っていた。
隣に立つ背の高い女生徒部員が彼女にドリンクを差し出している。
刹那の視線に気付いたのか、木乃香が「綺麗な人やなぁ」と言った。
確かに背の高い部員のほうはかなりの美人だ。
「はい。…それにあの相手も、なかなかの使い手でした」
「名前、訊いたん?」
「まだ訊いていません。一応伺っておかなければいけないですね」
刹那が息をつきながらそう言うと、先程の2人が刹那達を見て近寄ってきた。
刹那は会釈をしてさっき対峙した生徒を見る。目線が大体同じ位置だ。
「先程はお手合わせ、ありがとうございました。お強いのですね」
「いや、僕こそ驚きました。思っていたよりもずっと強くて…。中学生にも、ここまでの強者が居るものなのですね」
どうやら一人称が「僕」らしい。凛とした低めの声だ。
「柳生九兵衛と申します」
「私は桜咲刹那といいます。また、お手合わせ願います」
「こちらこそ」
再び2人は頭を下げる。九兵衛の横にいた背の高い部員がふっと笑った。
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