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600 名前:ネギま×銀魂[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 21:54:22 ID:yhYSstgG
「じゃあ、桜咲さん。私達はここで待っていましょう?」
「あ、はい」
「ほな、行ってくるな〜」

飲み物のコップを持ち、木乃香と九兵衛が離れていく。
特に何も思わずに、刹那はもう一度茶に口を付けて妙に話し掛ける。

「柳生さんって、礼儀正しい方なんですね」
「そうね。子供の頃からとても真面目なの」
「いいことですね」

刹那が少し感心すると、妙はくすっと笑った。

「刹那ちゃんもだいぶ真面目そうね」
「そうでしょうか?そうでもないですよ」
「刹那ちゃん、木乃香ちゃんのこと好きでしょう?」
「ぶっ!!」

本日ニ度目は飲んでいた茶を吹き出した。
いきなりそんな質問をされてはさすがに焦る。
というかさっきお嬢様が似たようなこと柳生さんに訊ねてなかったっけ?
妙はそれを見て可笑しそうに口元を押さえて声を出して笑う。
刹那は赤くなって視線を逸らした。

「か、からかわないで下さい…」
「ごめんさない、なんだか可愛くて…。…どうしてあの子に敬語で接するの?」
「ええと…お嬢様の家はかなりの名家で、私はそれに仕える身ですし…」

601 名前:ネギま×銀魂[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 21:55:11 ID:yhYSstgG
あら、と妙は少し驚いた顔をする。

「だから箱入り娘って雰囲気がするのね…なんだか私達と似てるなぁ。私達の場合は逆だけれど」
「逆?」
「九ちゃんのお家ね、とてもお金持ちの名家なのよ。すごく有名な」

落ち着いていたり、言葉遣いが丁寧だったりするのは、そのためなのだろうか。
刹那はそんなことを考えて茶のカップをテーブルに置いた。
妙の口調からは、木乃香の家柄への対抗や、友達の自慢をしたいという感じは全く伝わってこない。妙が続ける。

「だけれどね、九ちゃんは、剣で私を護ってくれるって、いつも私の傍にいてくれるの。
私にとっても九ちゃんは一番大事な人だから、いつも傍にいたいなぁって。
あなたたちの関係もそんな風じゃない?」
「え…どうして、そんなに分かるんですか…?」
「雰囲気よ。なんとなくだけど」

妙はキャラメルマキアートに口を付けて微笑んだ。
この人はどこか人を惹き付ける魅力がある、と刹那は直感する。
おそらく容姿だけではなくて、独特の優しくて温かい雰囲気のためだろう。
明日菜の周りに自然に人が集まってくるように。

「私はいつも危ない時、九ちゃんに護られてきたんだけれど、…ただ、ときどきそれがすごく辛いときがあって」
「辛い?」
「護られてばかりというのは辛いから。大切な相手は、自分だって護りたくて」

(守られてるばっかりはイヤやわ…ウチも守りたい!!)

602 名前:ネギま×銀魂[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 21:56:30 ID:wHGPEgAV
木乃香の声が耳の奥で蘇る。
守ることで逆に傷つけてしまっていたとあのとき刹那は知った。
だから、それ以来ずっと木乃香を傷つけまいとしてきたけれど、一生を賭けて木乃香を守るという決意は変わっていない。
そのためには命を落としたとしても構わないと。

「それにね、護ってくれる相手、護る相手という以前に、私にとって九ちゃんは親友だし、刹那ちゃんにとっても木乃香ちゃんは大切な友達でしょう?」
「…はい。…身分を弁えずに言わせていただけるならば、親友…です」
「親友にはね、相手から歩み寄ってほしいものよ。どうも九ちゃんはその辺の押しが足りないわ」

妙がため息をつく。刹那は笑った。

「というわけで、刹那ちゃんも木乃香ちゃんを押し倒すくらいしても良いと思うわよ」
「…かはっ!!い、いきなり何ですか!!」
「あら。なんだか刹那ちゃんもそんな感じがして。いつも受け身でしょう?」
「おっ、押し倒すとかそういうのは違います!」
「ふふ」

必死で反論する刹那を受け流す妙。
肩で息をしながら、刹那はかなり疲労を感じていた。
お嬢様といい志村さんといい、どうしてこんな問題発言ばかりなんだ。
なんでこんな疲れる人達が世間には溢れてるんだ。
むしろこの思考回路が正常だとしたら、人間界はおかしい。
絶対におかしい。少しだけ本気で烏族の中で過ごしたいと思った。
そこまで考えて刹那は、自分は他人と会話をすることはとても苦手なはずなのに、
この人達とは何故だか気軽に話せているということに気付いた。

「あら、木乃香ちゃんたちも帰ってきたみたい」
「え」

603 名前:ネギま×銀魂[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 21:58:32 ID:wHGPEgAV
妙の視線の先を見ると、木乃香が九兵衛の手をひいてきているところだった。
今にも発火しそうなほど赤い九兵衛の顔を見ると、どうやらこちらと似たようなことを言われたらしい。

(…大変、だっただろうな)

思わず心の中で九兵衛に合掌をしてしまう刹那であった。




「じゃあ、僕らはこれで。今日は本当にありがとう」
「いえ、こちらこそ」

あれからも少し話をして、気が着けばもうすっかり夕方だった。
自分の高校の制服に着替え、荷物をまとめた九兵衛が刹那に礼を言う。
妙は先に荷物を専用の車にのせているということで居なかった。
木乃香もそれを手伝っているため、今この場に居るのは九兵衛と刹那だけだ。

「…あの、お嬢様に何か訊かれましたか?」
「…まあ、いろいろ。君も妙ちゃんに訊かれたみたいだな…」
「はい…困ったものですね」
「困ったものだ」

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