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725 名前:花火と天体観測[sage] 投稿日:2007/09/21(金) 22:15:28 ID:TWsuxEBj
ふと木乃香がそう言う。その言葉に明日菜が頷き、

「だよねぇ。夏場のは思いっきりテンション上がる感じだけど、秋のはなんだか感動して見ちゃうな。雰囲気が違うからかなぁ」
「ウチ、こっちのが好きかもしれんわ〜」

楽しそうに微笑んで木乃香がまた花火に火を灯した。
そして、隣にいる刹那の方を向く。

「せっちゃん、そういや花火初めてやったんやろ?」
「え、そうだったの?」
「はい。すごく綺麗ですね」

刹那も答え、手の中の花火をそっと持ち上げる。
まだ慣れないような表情でまじまじと見ているが、瞳は楽しそうに輝いていた。
30分ほど過ぎると、残りの花火はだいぶ少なくなっていた。
花火は消費する時間がその量に比べて格段に早い。
ゆっくりと花火を楽しんでいた3人だが、残念そうにため息をつく。

「ほとんどなくなっちゃったねー」
「もう一袋買っとけば良かったなぁ」
「でも、なんとなく戻るのは勿体無い気がしますね…」

刹那が呟くと、明日菜と木乃香も頷いた。
少し涼しいとはいえ、とても穏やかな夜で、なんとなくもう少し、ここに居たい気分だった。
「もう少しここにいよ?」木乃香が訪ねると、2人も穏やかに賛成する。
草の上に3人で並んで座り込み、取り留めのない話をする。

726 名前:花火と天体観測[sage] 投稿日:2007/09/21(金) 22:16:17 ID:TWsuxEBj
(まぁったく…)

楽しそうに話す刹那と木乃香を見て、明日菜は苦笑した。
すっと立ち上がり、少し困ったような顔をして言う。

「ごめん、木乃香、刹那さん…。今思い出したんだけど、エヴァちゃんに用事があるって呼び出されてたんだった。私先に戻るね」
「えー!アスナ行ってしまうん?」

木乃香が驚いて訪ねられ、明日菜は申し訳なさそうな表情をした。

「ほんっとごめん。2人で話しててよ」
「そっかぁ…しょうがないかぁ」
「明日菜さん、戻る道、気を付けて下さいね」
「大丈夫。じゃ、先行ってるね!」

明日菜が自分の懐中電灯を持って駆けていく。相変わらず俊足だ。
残された木乃香と刹那は、改めて隣に座りなおす。
刹那が「明日菜さん、エヴァンジェリンさんに用って…大丈夫ですよね…」と心配そうに呟いた。
彼女のスパルタは刹那も充分承知している。
木乃香も少し心配そうな顔をしていたが、その表情にはどこか嬉しそうな色があった。

「お嬢様、どうかされたのですか?」

どことなくうきうきしている様子の木乃香に刹那が訪ねる。
木乃香はえへへ、と笑って答えた。

「明日菜が行ってもうたのは寂しいけど…せっちゃんと2人きりやもんv」
「なっ」

727 名前:花火と天体観測[sage] 投稿日:2007/09/21(金) 22:17:06 ID:TWsuxEBj
刹那が顔を赤くする。困ったように視線を逸らした。
一方木乃香は見るからに楽しそうで、隣に居る刹那の腕をぎゅっとつかむ。
ますます照れる刹那に、木乃香は満足したように微笑んだ。

爽やかな夜風が2人の頬を撫でる。
不意に空を見上げた木乃香が、「あ」と声を漏らした。刹那は木乃香の方を見る。

「せっちゃん!今日、満月やえ」
「え」

つられて刹那も空を見上げると、大きな満月がくっきりと光の輪を描いて浮かんでいるのが見えた。
星はあまり見えないものの、雲はほとんどなく驚くほど夜空は澄んでいた。
その美しさに、思わずみとれてしまう。
「秋ですね…」思わず感慨深げに刹那が呟く。木乃香も頷いた。

「せやなぁ。ほんまあっという間に過ぎてってしまうな…」

その呟きにどこか寂しげなものが混じっているのを感じ取り、刹那は照れながらも微笑んだ。
少しだけ木乃香との距離を詰め、夜空を見上げたまま言う。

「本当に早いものですね。月日が経つのは」
「毎日が楽しいだけに、なんかさみしいもんやなぁ…」
「でも…こうしていると幸せですね」

刹那が目を細める。じっと見つめる木乃香の視線に気付き、赤くなった。

「お、お嬢様や明日菜さん達と…こうして毎日、いろいろな体験をして、たくさんの綺麗な物を見たりして…そういう毎日が、私は幸せだなぁと」
「せっちゃん、ウチらといるとき幸せ?」
「もちろんです。お2人とも、と、とても大切な人ですから…っ」

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