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22 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/30(水) 09:25:14 ID:kv8HJnFx
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「……はは。
釣り合いが悪い程度ならどんなにいいか。
不良と世間知らずなお嬢様、とは訳が違います。
私は関西呪術協会の老人達からしたら鼻摘み者なんですよ。
………いや………、腐った蜜柑……か」
「………え?
でも、木乃香を守ってるでしょ?
だったら鼻摘み者…とかに任せるわけないんじゃないの?」
「私を拾ってくださった詠春様……お嬢様のお父上ですが……その方の意向だったからです」
「イケメン父さんの」
「はい。
……命の恩人だった。
その恩に報いる心があれば娘を如何なる害悪からも守るだろうとお考えになられた。
直接拝聴したわけではありませんが、……伝え聞いた話からそう解釈しています」
何となく空気がわかってきた明日菜が絡まりそうな情報の糸を手繰りながら纏める。
「つまり………護衛に付いてるだけでも上のジィさん達には面白く…ない…?」
「ご名答。
野生のカンですね?」
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23 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/30(水) 09:26:15 ID:kv8HJnFx
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もう一度にやりと笑うと、刹那は片時も離すことのない、相方とも言うべき刀をそっと手に取った。
「…夕凪。
詠春様より賜ったものです」
「…………更にGさん達面白く………ない?」
「この上ないでしょうね」
人事のように刹那はくすくす笑う。
明日菜にはその笑みがどこか場違いのもののように感じられた。
「……でもさ。木乃香は違う風に言ってたけど、一人娘の専属護衛に付けられたりお父さんにそんだけ気に入られてたら本契約も許してくれそう……じゃない?」
「条件付きだったんです」
「え?」
「本当は私はこんなに近くから護衛する筈ではなかった」
「…………あ」
明日菜の脳裏に、一見冷たすぎるとも思える過去の刹那の表情が浮かんだ。
「会話などの一次的接触を極力せず、陰から忍の如くお守りする。
その条件で私はお嬢様の護衛に付くことを近衛家より許されました」
…それすらも詠春の働きかけの賜物なのだが。
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24 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/30(水) 09:27:48 ID:kv8HJnFx
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「修学、…旅行」
「自分で言うのは……憚られるし私単体の力でもありませんが、私はあの旅行で手柄を立てたと言っても間違いではないようで」
「そうだよ、ね」
確かにネギやエヴァンジェリン、学園長、その他大勢の力がなければ木乃香は助けられなかった。
しかし、決定打となった刹那がいなければ奪還は不可能だったろう。
「このことで老人達は自分達からしたら奇行とも取れる詠春様の言動に口が挟み辛くなったのです。
これだけの働きをした手前、もっと近くで護衛任務に当たらせても文句が言いにくい、というわけです」
「だから…今は近くにいられるんだ?」
「お陰様で」
苦笑気味に刹那が笑う。
「ですがこの位置から離れさせたいと思っている者が多いのは確かなことです、仕方ない…とは思いますが」
「イケメンパパとお手柄があるから強くは言えない…のか」
「そういうことになりますね」
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25 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/30(水) 09:29:00 ID:kv8HJnFx
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「えっと、つまり、あの…気に入られてはいない。……わけだよね」
「殺してやりたいとさえ思っているでしょうね」
明日菜の顔から血の気が引いた。
まるで今日のごはんは卵焼きがいいです、くらいの軽さで簡単に殺す、という単語が出たからだ。
……それ以上に刹那があまりにも淡々と非日常的単語を口にしたことのほうが大きかったが。
「……もしこれ以上害虫が時期頭首に近づくようなことがあれば。
彼等にとってそれは一つの存在を消す為のこの上ない理由になる」
「…え?」
刹那の顔が感情の通わないガラス人形のように見えて、明日菜はそれ以上何かを聞く勇気が持てなかった。
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