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46 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/30(水) 22:37:09 ID:kv8HJnFx
慌てて側にあった布巾でそれを拭く。
刹那は新しい布巾を持ってくる、と席を立った。

零れたお茶は熱いはずだった。
なのに………氷のように冷たく感じる。
何故そう思うのか、考えずとも明日菜には既にその答えが出ていた。
冷静沈着、頭脳明晰などという今まで読んだ漫画の中に腐る程出て来た四文字熟語のような刹那の口振りが純粋に……怖いと思ったからだ。
刹那は厳しい一面を持っていることは知っている。
だが付き合いの浅く、修学旅行から仲を深めた明日菜にとってその情報は何の気休めにもならなかった。

ただ……別人のようで、怖かったのだ。

「あぁ、もう必要なかったかもしれませんね」

あらかた水気の飛んだテーブルを見て刹那が言った。

「あ、もうそちらの布巾は下げま………」

「どういうことなの」

言葉尻を斬られて刹那が少し驚く。

「木乃香がもう帰って来なくて………それで、刹那さんはまるっきり普段通りで……………これって………………」

「私の中で」

47 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/30(水) 22:38:25 ID:kv8HJnFx
「…………え」

「もう決まっていたことだから」

「…………………………え?」

「………想定の……範囲内…という所です」

そう言って控え目に笑った。
その柔らかめの表情は見知ったものだったので、明日菜はやや安堵した。

「……すみません、お嬢様がアスナさんに話されていると知っていたら私も伝えておくべきだったのでしょうが」

「………う、うん」

ぐしょぐしょに濡れた布巾をシンクに置き、ゆっくりと刹那が戻って来る。

「お嬢様は……間違いなく今京に居る。関西呪術協会の総本山に。
…………詠春様に……話をされるおつもりなのでしょう、詠春様は慈悲深くお優しい。
老人達を集め直談判するより身近な方を先ず説得しようと考えたと推測するのは無理矢理ではないかと」

「………うん、私も…そう思う」

「…でも、詠春様はきっとお許しにならない。
許せば近衛家の規律風紀その他諸々が乱れ崩れるでしょうから」

48 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/30(水) 22:39:44 ID:kv8HJnFx
「う、ん。それで?」

「最悪、……幽閉」

「ゆ……………ッ?!」

またも立ち上がりそうになったのを何とか踏み堪える。

「ちょ、ちょっと待ってよ……!!
幽………閉って…………意味……わかんないよ…………?!幽々白書の略の間違いじゃないの………?」

「………分かりにくいのは当然です。
近衛家に生まれた時点で既に他の平凡な者とは一線を引いていますから。
お嬢様に………兄上か姉上、せめて弟君、妹君がいらっしゃればここまで話は大袈裟にはならなかったかもしれませんが……
…詠春様にはお嬢様以外に御子は…………」

「跡継ぎ……の問題……?」

「…はい。
尚且つお嬢様はあのサウザンドマスターを凌ぐとも言われる魔力を有する方。
跡継ぎにこれ程適格な者もいないとさえ言われている」

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