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76 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/31(木) 20:31:52 ID:L8pj4j8r
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「………………この……っ、鳥族の子供は生命維持すら危うい程の怪我を負っている、…………更に余りの光景に精神は非常に不安定であると推測…されます。
その状態で術を掛ければ必ずや不完全なものとなりましょう!!」
「何が、言いたいのだ」
先程とは違う声。
しかし詠春にとって畏怖の対象には変わりなかった。
「齢一六を迎えたならば………………必ず、…必ずお渡しすることを近衛詠春、経に手を置き誓いましょう!!
ですから何卒、お任せ願えませんでしょうか……………!!!」
「………まぁ、一理はあろうな。
育ち切るのを待つのも完全なる遂行の為の先行投資とも言える。
…十年か。
失敗は許されない、石橋を叩くのも間違いではないのではないか?」
またひとつ、別の声。
その声が詠春を安堵させた。
声は続けた。
「…………良いだろう、記憶の消去、並びに鳥族の象徴の隠蔽継続を前提とした話だが。
京に合うよう瞳、髪は黒くせよ。無論、翼は言うまでもないが」
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77 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/31(木) 20:32:48 ID:L8pj4j8r
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「あり…………っ、がとうございます………………ッ!!」
「……遠縁に神鳴流があったな。
ひとまずそこに入れ躾てからお前が引き取るがいい。
無教育の者を近衛家が面倒見ていてはあちらに不審がられよう」
「心得て…おります……」
「だが」
突如厳しくなった声に垂れた顔を上げた。
「記憶を消した上でも覚醒するようであれば、
……二度目は無い」
その声の冷たさに、幾分緩んだ心が再び凍り付くのを詠春はその身で感じていた…………
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78 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/31(木) 20:33:49 ID:L8pj4j8r
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(名前、どうされますか)
(………浮かばないな、いざ言われると)
(木乃香と対になるようなものにしましょうか)
(……いや、捨て子ということにしてあるからそれは少々まずいな)
(…………せつな)
(……ん?)
(…………この子の幸せは正に刹那的だったのでしょう?
背丈が伸び切る頃には、………その星の下に生まれた運命すら刹那に幸せと変えられますように、と)
(…………ははは。
由来を教えてやれぬな、…それでは)
(ふふふ。
でも、いつか教えてあげましょう?
………幸せを…掴んだ時に)
(…そうだな。良い名だ)
君の名。
…それはね。
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