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79 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/31(木) 20:35:21 ID:L8pj4j8r
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ぴゅう、と斬るような風の中刹那は居た。
その前には聳えるように構える、関西呪術協会総本山…近衛家。
ぐ、と目を瞑る。
それは偶然にも数日前木乃香の取った行動と似通っていたのだが勿論本人は知る由もない。
…さて、どうしたものだろう。
明日菜が余りにも挙動不審だったので落ち着かせる意味合いで思わせ振りなことを言ってみただけなのだが、どうやらまるっきり信じてしまったようだった。
策などあるはずがない。
だが、良からぬ空気は感じ取っていたし、木乃香が麻帆良を離れることになるのは避けておきたかった。
…まだ話していないのなら間に合うだろうか。
屋敷の内部は手に取るようにわかるし探すのにそう手間は掛からない。
警護の式神の動作を止める術式も知っているし酷いへまをしなければ諭して連れ帰ることも出来るだろう。
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80 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/31(木) 20:36:15 ID:L8pj4j8r
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…本契約。
もしそれが本当に叶うのなら刹那にとってこれ以上幸せなこともなかった。
契約を結べば契約主の右腕として正式に認められたことになるからだ。
いつ解任されるかも知らぬ今の立場から見ても、それは。
しかし現実的に考えてみればそれは非常に困難を極める。
近衛家跡継ぎが人でない上に鳥族、………その上白き翼を持つ者と契約を結ぶとなれば、可能性を信じることさえ馬鹿馬鹿しくなってくる。
…だが、刹那の望みこそその「信じることさえ馬鹿馬鹿しい未来」なのだ。
今のままでは到底叶わぬ絵空事だ。
しかし木乃香にそんな弱音は吐きたくなかった。
だから現実的意見も口にしたことはない。
…木乃香が予想以上に行動的だったのが少々痛手だが。
せめて夢くらいは見ていたかった。
桜並木の中交わした、子供の約束のような幼い会話。
それが本当に叶うなら…。
…いや。
私はもっと私のことを思い知るべきだ。
……私は忌むべき化物なのだから。
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81 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/31(木) 20:37:37 ID:L8pj4j8r
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現実が揃う。
二人の前に、避けられぬ運命として。
そしてひとつの意思は……動き出す。
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