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102 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/02/01(金) 22:44:08 ID:VUfel3rD
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「おっ、お父様がどないしたん?!」
静かにしろと注意されていたのも忘れ叫んでしまう。
刹那の顔に緊張が走り、空気が切り立つ。
「か、堪忍な………。
お父…………様が………なに、せ………っちゃん」
風邪が悪化して容態が急変したわけではあるまい、声を出すなという指示と食い違う。
…………否応無く不吉な予感が木乃香を襲う。
「詠春…………様が………、ご乱心………なされました」
「ら、んし…ん……………っ?!」
どういうことなのだ。
父が乱心?!
あの穏やかで物腰の柔らかな父が?!
何かの間違いだろう、そう言ってほしい、いや、刹那はそう言わねばならない!!
「嘘、やろ………?」
「小太刀で……………審議会の一人に………斬り掛りました…………………」
「――――――――――――ッ?!」
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103 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/02/01(金) 22:45:14 ID:VUfel3rD
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少なくとも家の中では刀剣の類を飾りとしか認識していない木乃香にとってそれは余計現実離れした話として耳に届いた。
刀等持っているのを見たことすらない父が………?!
――刹那の話を要約するとこうだった。
本契約の許しを請うのはまだ時期ではない、と伝え木乃香を穏便に連れ帰る為に総本山を訪れた刹那は先ず木乃香の自室のある三階に忍び込んだ。
が、いるだろうとの確信は肩透かしに変わる。
人の気配がなかったのだ。
まぁ部屋を変えること位珍しいわけではない、心辺りを探してみよう。刹那はそう考えた。
詠春の書斎兼自室のある四階に登り耳を澄ます。
微かに声が聞こえたので抜足で近付く。
頑丈な造りの扉から僅かばかり、光が漏れていた。
突如、怒声。
身をびくつかせながらも刹那は下手に動くことも出来ずに壁を背にした。
そこで起こっていた事―。
聞き慣れない言葉、聞き慣れない低い声。
何を話しているのかは怒り狂ったその声と、場の鎮圧の為の怒声でわかる筈がなかった。
しかし、刹那はまだ未熟とは言え剣士。
扉の向こうで誰かが鯉口を切ったのをはっきりと認識した………。
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104 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/02/01(金) 22:46:25 ID:VUfel3rD
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「近衛詠春!!!!!
あの日経に置いた手、今此所で斬り落とされたいか!!!!!!」
「人は偽証が可能な唯一の存在である事、審議会の一員ともあろう御方が知らぬとはよもや思いもしませんでしたからなぁああぁ!!!!」
その声の主は聴き違える筈もない、詠春のもの。
先程の抜刀音と足音から察するに詠春が審議会の誰かに斬り掛かっているのは最早疑いの余地はカケラも………なかった。
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105 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/02/01(金) 22:47:24 ID:VUfel3rD
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「…………嘘や…………」
「詠春様が………危険です。
お嬢様は此所でお待ちくだ…………、?!
お嬢様!!!!」
刹那の制止も聞かず、木乃香は話から察する所、つまりは老人達が定期的に会合を行う大広間へと駆け出していた………………
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