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135 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 23:06:31 ID:q63VShyV
*****



ドアを叩いたその音に飛び上がりそうになった。
考え事をしている時に響く突然の物音というのはどうしてこんなに心臓に悪いのだろう?

「どなたですかー」

……?
返事がない。

「どなたーですかー」

やはり返事はない。
幾ら豪放磊落を絵に描いたような性格の明日菜と言えど、こんな時間帯に部屋に返事のないノックが響けば不気味に思う。
もう一度声を掛け返事が無いのならドアを蹴破りタカミチの元へ駆けていこうかなどと考えていたら、小さな声が聞こえた。

「………刹那さん?」

低く、凛とした印象を与えるその声は間違いない、刹那のものだろう。
しかし……異常とも思える程それはか弱かった。


136 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 23:06:57 ID:q63VShyV
「刹那さんっ?!」

まだ確証はなかったが明日菜は扉を開け放った。
崩れるように座り込むその人は、やはり刹那であった。

「あす…………な、さ……………」

助け起こそうと伸ばした手を力無く握られ少し戸惑う。
…その手が氷のように冷たかった。

「ちょ………っ?!
と、とりあえず入って!!ネギは今夜はいんちょのとこにでもぶち込んどくから!!」

春先で夜が多少冷え込むとは言えあの冷たさはどこか現実離れしていた。
明日菜の動物的勘が言う。

『……何かが起こっている』

寒さなのか他に理由があるのか定かではないが、刹那は小刻みに震えていた。
とにかく落ち着かせようとハーブティーを淹れ前に置く。
口火を切るのを待とう。
そう思った。


137 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 23:07:25 ID:q63VShyV
「あす、……な、………さん」

「う、うん」

聞きたいことは山程あったが何とか堪え相槌を打つ。

「たす……、け…………」

掠れたような本当に小さな声。
ほんの少しでも雑音があれば聞き取れなかったろう。

「た、助け……、って……
え、待ってよ、ど、どういうことなの………?!」

気が付く。
ぽたぽたと落ちる滴。
…刹那が…泣いていた。

「せっ、刹那さん?!
落ち着いて、大丈夫、…大丈夫だから………!!
だからっ落ち着いて、話して……!何があったの、あたしは何したらいいの?!」

矢継早に口を開いては逆効果だと分かってはいてもどうしてもそうなってしまう。
刹那の堰を切ったような落涙に明日菜は戸惑うばかりだった。
…今は何か聞いてはいけない。
刹那の口が開かなくてはどうにもならないのだ…。

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