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143 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/02/08(金) 18:03:49 ID:wSs1cGuA
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明日菜はその背中をさすりながら、嗚咽の止まらぬ友人の胸中を察しようと思案を巡らせる。
しかし、バカレッドの頭では処理しようにも方法がないのは明白だった。
「詠、春様と…………お、嬢………ッ、様、が………ッ」
「イケパとこのかがどうしたの?!」
「私…………ッ、何もせずに…………!!
逃げ……って、しまった………………っ!!!」
「ちょ、え…何?!
イケパとこのかが危ないってこと?!そうなの?!」
嗚咽が邪魔して上手く言葉が出ないのだろう、刹那はひたすらに首を縦に振った。
「逃げたって………すんごい強い誰かが居たとか……?」
自らの命顧ずに矢面に立つ刹那しか知らない明日菜にとって逃げる、という言葉は非常な違和感があった。
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144 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/02/08(金) 18:04:16 ID:wSs1cGuA
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「違う…………っ、私は………何も…………!!
ただ…………怖くて…………何もせず………!!逃げた………………っ!!!!」
………怖かった。
詠春や木乃香に対し明らかに好意では無い感情を向けているのだろう人物の顔も見ていないのに、全身を操られたかのような恐怖が襲い、気が付いたら駆けていた。
まるで丸裸の本能に触れられたかのような………。
木乃香を追い、詠春が誰かに斬り掛かったその部屋の前に立った瞬間、突如襲ったその感覚。
知らない、知らない!!
こんな声は知らない。
だが何故その顔が浮かぶ?
貼り付けた温和な表情の裏にある冷酷なあの顔が………何故!!
名も知らない、顔も知らない。
なのにどうして私は『知っている』?!
頭の奥で何かが叫ぶ。
近寄ってはいけない、逃げなければならない。
見付かってはいけない!!!
でないとまた『殺される』!!
肺が悲鳴を上げるのも聞かずただ走った。
一度も振り向くことなく走った。
止まればまたあの感情が沸き起こりそうで、それが怖くて。
理由の見えない恐怖に追われ気が付いたら……このドアの前に居た。
……刹那に話せるのは、これが限界だった。
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145 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/02/08(金) 18:04:46 ID:wSs1cGuA
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「刹那……さん」
「わからない……、わからない…!!
姿を見ることさえ……今の私には………っ!!」
怖い。
怖い。
怖い。
なのに何故恐ろしいのかわからない……!!
「……わかった」
迷いのないその声に顔を上げる。
「…なんか話が全ッ然わかんないんだけど……要はこのかとイケパがヤバいんでしょ?」
「…………は、い………」
「じゃあやることはひとつだね」
「アス、ナさん…?」
「行くよ!!刹那さん!!」
「………へ…?」
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