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195 名前: ◆AIo1qlmVDI [sage] 投稿日:2008/02/11(月) 22:01:19 ID:ltQDPWSu | ||||
大丈夫、…………は、お前を愛しているよ。 ……造られた……に過ぎない……を、疎ましく思うことなどありはしない。 だから、……お前は………… | ||||
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196 名前: ◆AIo1qlmVDI [sage] 投稿日:2008/02/11(月) 22:02:01 ID:ltQDPWSu | ||||
「な、さん?」 「?!」 「刹那さん?」 「えっ、あ!はい!!」 「どしたの、ぼーっとして……」 「す、すいません……ちょっとぼんやりしてしまって」 「刹那さんもぼんやりする、なんてあるんだ?」 明日菜に笑われ、少し恥ずかしくなる。 「すみません、……大事の時に腑抜けた真似を」 「なっはっはっはっは、大丈夫ですよぉ刹那さぁ〜ん。 たまには抜けててもらわなきゃあたしがいたたまれないって」 「抜けているのはアスナさんの役目ですからね」 「あははっ、刹那さんも冗談が言えるようになったかぁ〜、おじさん嬉しいなぁ」 | ||||
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197 名前: ◆AIo1qlmVDI [sage] 投稿日:2008/02/11(月) 22:02:46 ID:ltQDPWSu | ||||
切迫した空気さえ瞬時に和やかなものに換えてしまう明日菜の性格を今日ほど有り難く感じたこともないかもしれない。 自分ひとりではこの現状に何だかんだと言い訳を付けて行動に移さなかったに違いない。 そして―微塵も考えたくない事項だが―手遅れになっていた可能性だってある。 まぁ、今も手遅れの可能性については何も言えないのだが、不思議とそんな予感はしなかった。 何より、二人の安否よりノイズが走るように不意に降ってきた誰かの声のほうが気になったくらいなのだ。 以前にも夢うつつで聴いたようなその声。 これは懐かしい……という感情なのか、それともただ単に忘れてしまっただけなのか。 ……今は余計なことを考えるべきではない、と結論付けると刹那は勢いよく首を振った。 …………あなたは…… 誰? | ||||
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198 名前: ◆AIo1qlmVDI [sage] 投稿日:2008/02/11(月) 22:03:36 ID:ltQDPWSu | ||||
冷えた空気の中、それはあった。 ……コレは動じることがあるんだろうか。 対象は物言わぬ建造物に過ぎないのにそう思わせるほど、近衛家……関西呪術協会は二人を威圧するように建っていた。 いや、門すらまだ見えないのだからそれでは語弊がある。 長い長い階段を見上げながら今更ながら身震いがする。 ついさっきまでの明日菜の意気揚々とした態度もさすがに萎んだように見え、刹那は拳を握った。 ……巻き込んでしまっただけの明日菜に頼るようでは神鳴流の名が泣こう。 後押しをしてくれただけで本当に感謝している。 万一怪我でもあるようでは明日菜に関わる全ての人間に顔向けが出来ない。 一歩踏み出しただけで背中に脂汗が垂れた。……やはりどれだけ強がりを言っても身体は正直らしい。 刹那の脚の震えは明日菜にも見て取れる程になっていた。 「……大丈夫?」 「…………はい」 「全然大丈夫じゃないって顔に見えるけど、あは。 あたし馬鹿だしきっと勘違いだね」 「……はは」 引きつった空気に僅かな緩み。 刹那の表情にほんの少し……本当に雀の涙程ではあるが変化が起きた。 こんな気配りの出来る明日菜を心底尊敬している。 詠春と木乃香の無事が分かったら伝えてみよう。 刹那は密かにそう思った。 | ||||
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