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373 名前: ◆AIo1qlmVDI [sage] 投稿日:2008/02/25(月) 10:00:56 ID:vc6Qk/V/
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「ダメだね、君。賢くないよ。事実を認める事は重要だ。
自分を受け入れないなら君はきっと兼定みたいになるよ。
兼定は馬鹿だからね、君に似てる」
「一緒に……するな」
「嫌なの?
ボクは兼定に似ていないけど君と兼定はとても似てるよ。ふふ、生まれ変わりみたいだと思えるくらいにね……。
だからアイツは君が欲しいんだろうなぁ」
「私が近衛兼定と似ていようがいまいが私にはどうでもいいことだ……っ、お前の目的はなんだ!!」
「う〜ん、ボクはボールを無下にしたくはないし答えてあげてもいいんだけどねぇ、やえぞーがなんて言うかな、言ってもいいのかな?」
「判断くらい自分で下したらどうだ」
「はは!それもそうだね、桜咲刹那サン!
じゃあボクは秘密にしておくよ、君がこれから踏み込むのは正に君とあのお嬢様を軸とした物語だからね、はは!
筋が割れてしまった物語なんか読むのが辛いだけさ、そうだろう?
ボクはいつだったか図書館で推理小説を借りた事があったんだ。一人読もうとしたら目次の部分に犯人の名前が書かれていたことがあってねぇ。
いやぁ、人間っていうのは何とも腹の立つ悪戯を考え付くものだね。
それと同じさ、君もボクも所詮物語を織り成す上での役者A・B・C・Dに過ぎない。ボクはこの舞台の犯人と目的を知っているけれど作者ではないし、舞台に出るよ。
だけどボクは役名くらいは欲しいからね、少し動いてみたりもする。ふふ、Eだなんてあんまりさ。
この物語が終幕を迎えた時君が舞台の上で挨拶を述べられているといいねぇ?」
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374 名前: ◆AIo1qlmVDI [sage] 投稿日:2008/02/25(月) 10:02:21 ID:vc6Qk/V/
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訳の分からぬ講釈を垂れる鷹峰に刹那は目眩ましの一撃を放つ。
それを又も指一本で止められたが、今度は怯まなかった。
夕凪が堅い金属音を放った瞬間に屈みこみ素早く後ろ手に回り込むと膝裏を蹴った。
「わ」
間接を蹴られ僅かに体勢を崩した所で立ち上がり勢いを乗せた夕凪でこめかみを打つ。
少しばかりは効果があったのか鷹峰は呻いた。
それを確認するまでもなく刹那は走った。
時間が足りないのは承知だがあそこに留まる訳には行かないのだ、自分には助けねばならない者がある!
致命傷を与えるには及ばないし、足止めにさえなっていないだろうが……。
振り向くことさえなく階段を降り松林を右手に突き進む。
少し行けば獣道に出る、そこを抜ければ屋敷の裏門が覗いているのだ。
屋敷内が安全であればこれほど心強いこともないがきっと逆だろう。
しかし囚われた木乃香と詠春を見つけ出さねば……!
「こぉら」
すぐ近くで聴こえた声に鳥肌が立った。
気配は……全くしなかった。
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375 名前: ◆AIo1qlmVDI [sage] 投稿日:2008/02/25(月) 10:02:59 ID:vc6Qk/V/
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「…………ッ、
が、……はッ……っ?!」
腹部に焼けるような熱さ。
「この角砂糖はダメだ、ボクには柔らかい」
そう言いつつ袋を逆さにして残りを口に流し込む。
空になった袋をくしゃりと空に舞わせると鷹峰ははっきりと嗤った。
その鷹峰の腕が自分の腹を貫き、夥しい量の鮮血が噴出しているのを刹那は見ていた…………
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