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383 名前: ◆AIo1qlmVDI [sage] 投稿日:2008/02/27(水) 18:20:21 ID:xEODV546
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「ネ、ネギ君……?!
と、……長谷川、君?
どうしたんだい、そんなに慌て……」
その少々意外な組み合わせとドアを開けただけとは思えない轟音に驚きの余韻が抜けない。
しかし高畑がそれを言い切らない内にネギは口火を切った。
「た、タカミチっ!!
あの……っ、僕……!!」
意表を突かれた高畑だったが、ネギの次の言葉で更に目を丸くさせる。
「僕……っ!!
京都に行くよ!!」
「ど、どうしたって言うんだい、いきなり……!!
京都は修学旅行で行っただろう?」
「……タカミチ、僕、
僕……僕は……京都に行かなきゃならないんだ、アスナさんにこのかさん、刹那さんを……助けるために!!」
「…………ネギ君?」
「タカミチは知ってるんでしょ?!
今……このかさん刹那さんが危ないってことを!!」
「な、何を言ってるんだ!!」
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384 名前: ◆AIo1qlmVDI [sage] 投稿日:2008/02/27(水) 18:20:50 ID:xEODV546
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生徒に聞かれるのが好ましい話ではない。
高畑は何故いるかもわからないが千雨を部屋から出そうと立ち上がった。
しかし、それはあっさりと破られる。
「ダメですよ」
「……っ?!」
ネギの穏やかとはいえない言葉に動ずる様子も無く、メガネに付いた汚れを拭き取りながら何でもないことのように千雨が言った。
「私みたいな奴なら聴いてしまった話を無視することは可能です。自分には関係ないって括って普段通りの生活を送ったらいいんですから。
でも、それでもそんな誰もがやることを出来ない人だって沢山います。
見て見ぬ振りが出来る人間じゃなかったみたいですよ、ネギ先生は。
……私の名誉の為に言っておくと、一応止めました」
「ネ、ネギ……君?
一体……どういう……」
事態が飲み込めずに、ネギと千雨の顔を交互に見ながら立ち上げかけた腰を椅子へと預けた。
「……無断欠席が……続いていたから……、心配になって……電話を掛けたんだ、このかさんのご実家に。
それで折り返し連絡をもらえることになって……、それで……今日の朝、このかさんの……た、退学届けを……学校に提出したって……電話が……来たんだ」
少し大きめの背広の肩を震わせながらネギが絞るように言う。
「そんな……馬鹿なこと、あるわけないよ……、
ねぇ、タカミチ……、そうだよね、何かの間違いなんだよね?!」
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385 名前: ◆AIo1qlmVDI [sage] 投稿日:2008/02/27(水) 18:21:19 ID:xEODV546
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「落ち着きなさい、ネギ君。
今動揺してはならない人物が一人要る。
……君だ、ネギ・スプリングフィールド。
君は3人の担任だろう?……落ち着きなさい。
落ち着いて、何があったのか話してくれるかい」
小さな肩をそっと掴み、手近の椅子を二つ取り片方をネギに宛がい、もう一つをドアの近くで壁に凭れ高畑を伺うように見る千雨に座るよう目で言ってから置く。
元々狭い部屋は高畑の私物で―主に書類の類だ―溢れ返っており、大の男が座ればもう余裕はあまりない。
ネギと千雨が小柄だったのが幸いだったが、それでも部屋は狭い。少し動くと肘やら頭がうず高く積まれた書類の山に当たるので無駄に動けなかった。
少しは処分するかデータ化してPCに突っ込んどきゃいいのに、と千雨は内心で余計なおせっかいを焼いた。
そのどちらも忙しい高畑には無理な相談だったが。
「お茶でも……淹れよう」
落ち着くとは言いがたいが、何とか二人を座らせると高畑が言った。
「あ、場所教えてくれれば私行きますけど」
「いや、学校内とは言え一応僕の部屋みたいなものだしね、勝手もわからないだろう?僕が行くよ」
「先生が動くとこの山が崩れそうで怖いだけです」
皮肉の利いたそれに苦笑してから急須と湯のみ、茶葉の場所を大体伝える。
千雨は雪崩を避け器用に場を離れた。
その姿が見えなくなってから高畑は少し声を潜めて切り出した。
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386 名前: ◆AIo1qlmVDI [sage] 投稿日:2008/02/27(水) 18:22:34 ID:xEODV546
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「……Eに、会ったのかい」
「……うん」
「何か危害を加えられたりは……ないね?」
「うん、それは……大丈夫。
タカミチ……なんでわかったの?」
「近衛の老人達とは少しコネがあってね、話は少しながら伝わっているんだ。
それに……もうじき君を巻き込むんじゃないかと思っていた。
……長谷川君が居る手前知らない振りをしたけどね」
「あの……Eって……」
「ああ、……あれは危険だ。
今は覚醒を制御されているからまだいいが……」
解除の切っ掛けを持つのは……恐らく。
「全く馬鹿なことを考えるものだね、欲に目が眩んだ人間と言うのは」
「タカミチ……どうしよう?!僕、僕は……今すぐにでも京都に行ってこのかさんのご実家に行こうと思うけど……でも……!!」
「ネギ君、君は此処に残るべきだと僕は思うよ」
「タカミチ……っ?!」
「君の気持ちはわかる。
大切な生徒を君自ら助けたいという思いは同じ教師である僕だからこそわかってやれる、
……と言うのは説得力に欠けるかな。
それに君にはここで授業をする義務がある。それを放って京に行くわけにはいかないだろう?」
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