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450 名前: ◆AIo1qlmVDI [sage] 投稿日:2008/03/07(金) 17:24:24 ID:qf3XJIws
真っ直ぐで糞真面目な所に惹かれる部分があるのは認める。でもそれは尊敬という意味でありその先には何も無い。
一緒に居たらトラブルの連続で疲れ果ててしまいそうだしな、と更に付け加える。
クラスの馬鹿連中のようにアイドル視すらしないだろう。
例えるならネギが10なら千雨はマイナス1000だ。
対極とまでは行かないが、それ位の温度差を感じる。
いつも全力投球でぼろぼろの少年が少しも気にならないと言えば嘘になるのだが……。
そんなことを言ったら最後、とんでもない尾鰭を付けて誇大化されそうだとは安易に予想がつくので死んでも言わないが。
「アンタは?」
「ん?」
ブレザーの袖でデジカメのレンズをちょいちょいっと拭いていた朝倉に話しかける。
「アンタはその企画どーすんだ?また司会進行か?」
修学旅行で大目玉を食わされたことを思い出す。
こいつの企画は要注意だから触りだけでも知っておいて損は無い。
朝倉は腰を凭れさせていた千雨の机から離れると笑った。
「んん〜?ライバルは一人でも少ないほうがいいって?」
「……言ってねぇだろ、んなこたぁよ」
「んっふっふっ、逃げるねぇ?」
「水掛け論になるから否定も肯定もしないけどな、アンタが司会進行をやるってんなら先にこれだけは言っとく。
私は絶対んなモン参加しねーから巻き込むなよ」
「ははは、エントリーは卒業式前日まで受け付けるから前言撤回もOKだかんね〜?」
「……話聞けよ」
「いやぁ、その気がないブラックホースを如何に乗せるかに軽く命張ってるからね!」
「そうかい」
ひらひらと手を振り、あっちへ行けと意を込める。
相も変わらず面白そうな顔で千雨を見る朝倉だった…………。

……やれやれだ。
世の中には傍観をこよなく愛するやつってのが居るが朝倉は間違いなくそれに分類される。
人の恋愛の世話焼きが何より好きなタイプなんだろう。
他人に興味の無い千雨からしたら朝倉のような人間は全くもって理解し難い存在だ。
合コンの幹事やセッティングもその内手を付け出しそうだな、と思い少し笑った。
はまり役ってのはこういう時に使う言葉なんじゃないかと……思ったから。
いつも空いた隣席を時々見やりながら座っているその姿を視界に映しつつ考える。


451 名前: ◆AIo1qlmVDI [sage] 投稿日:2008/03/07(金) 17:25:05 ID:qf3XJIws
あいつが世話焼きタイプなら自分は何なのだろう?
無気力?
交流嫌い?
当て嵌まる言葉が浮かばずに机の上を指でなぞった。
「……定義なんかどうでもいいっちゃいいけど、な」
朝に中断したネギの話の反芻。
喧騒の教室でそれを行うのは場違いな気もするが、部屋に居るときはPCと向かい合ってしまうのでここしかないのである。
ネギの口走った「E」とはなんだろう。
何かの略語であるのだろうが、千雨にその一文字で表される言葉の心当たりは無かった。
話を要約すると簡単だが異様に現実味が薄くなる。が、思考の整理には丁度いいのかもしれない。

第一ポイント。
近衛が悪の組織に攫われて危機に陥っている。
第二ポイント。
神楽坂と桜咲はその救出に向かっている。
第三ポイント。
どうやら神楽坂と桜咲も揃ってピンチらしい。

…………アホか。
なんだよ悪の組織って。
ロ○ット団か?それともレッド○ボン軍か?
誰に吹き込まれたか知らないが、今のところ妙なのは近衛が突然の退学届けを提出したってとこぐらいだろ。後の二人はそれを止めさせるために実家にでも行ってんじゃねーの?
確かに担任としては騒ぎたくなる気持ちはわかる。
今まで楽しそうに通学してたのに急にそんなんなったら誰だって気になるさ。
……けどなんでそれが悪の組織だ誘拐だになるんだよ。あいつの本立てに並んでる漫画やら小説やらを一冊ずつ検めたいところだな。間違いなく小学生向け冒険小説はあると見た。
センセーのメンツの為に少し付き合ってやったが、まぁ私が出るまでもなく高畑先生が諭してくれたことだろう。


452 名前: ◆AIo1qlmVDI [sage] 投稿日:2008/03/07(金) 17:28:21 ID:7af5ua1u
今私が心配すべきはそんな安っぽいファンタジーよりも朝倉だ。
妙な話をばらまかれたら今後のネット活動に響きそうで困る。
小賢しい朝倉のことだ、この後ネギに直接話を聞きに行くかもしれない。
そう思った千雨はネギの携帯に話を合わせるように、との指示メールを送っておく。
送信完了画面が出た途端にドアが開き、朝のHRの為ネギが現れた。
そのタイミングの良さも相俟って、ネギの背広ポケットの中で携帯が震えているのが見えて妙に千雨は気恥ずかしくなった。
「…………いや、だってあいつが勝手に登録しやがったから…………」
その呟きを後方に居た茶々丸の聴覚センサーは目聡く捉え、主にそれを報告すべきかの判断の為、人工知能プログラムの起動を開始していた…………。

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