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953 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 21:20:22 ID:Oiuc8j0a
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「そーゆうんを、気にする人は………たくさんおる」
「……うん」
そのたくさん、というのは関東呪術協会の老達であろうことは何となく明日菜にも分かる。
長と呼ばれる類の…特に年を重ねた者が体面や、一族の恥と成り得るものを如何に嫌うかを木乃香は控え目に説いた。
「えと………刹那さんは…よく思われてないってこと?」
難しい単語は省略し掻い摘まみ要約する。
「……今は…どうだかわからん。
今はお父様が頭主やから」
温和な表情で笑う木乃香の父の顔を天井に浮かべる。
ほんの少しの付き合いではあったが、刹那を邪険にはしていなかった筈だ。むしろ感謝の言葉を掛けていたのを思い出す。
「……じゃあ大丈夫なんじゃないの?」
…明日菜は自らの短絡的思考を後悔した。
木乃香の膝上で固められた拳が少しだけ…震えていたのだ。
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954 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 21:21:05 ID:Oiuc8j0a
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「組織は、…独りやない」
「そりゃ、…うん」
「和を乱すんは、上に立つべき人間が一番しちゃあかんことや」
話がなんだか重くなってきた事に普段の明るさを取り戻そうとしたのか、明日菜が言う。
「で、でもさ、パートナーになるのって……あの、そこまで言われるかな?」
「…どうやろね?」
木乃香が笑った瞳の向こうに確かな意思を見つけ、安堵の溜め息をつく。
「……反対されたら?」
「ぶっころしたるぅー」
あまりにも似合わないその言葉に吹き出した。
そのせいで今までの重々しい空気さえ木乃香の演出かと思ってしまうほどにぶっ飛んだその答え。
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955 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 22:08:10 ID:Oiuc8j0a
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「あっはは!やってやれ〜!」
「せっちゃんがなっ」
「うはは、さすが腹黒」
「ややな〜、ちゃうよー?」
「あっさり行くといーね」
「そやねー。
あーぁ、子供一人しかおらんと色々やらなあかんこと多くて嫌やー」
「跡継ぎとか?」
「ん。せやから余計世間体とか五月蠅くて嫌やわ」
「そっかー……。
うん、でも…がんばっ…て?」
「疑問系?
応援してやー」
苦笑気味の木乃香を見ながら明日菜も笑う。
本人が笑っているならなんだか大丈夫な気がして。
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956 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 22:09:25 ID:Oiuc8j0a
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でも、桜だけが知っていた。
それは決して安易な道ではないと。
……そして、桜の名を冠する者も、知っていた。
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