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909 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/01/11(木) 23:34:26 ID:/JsAMxu5
>>908

「うんうん、それがええよ。ほな一緒にいこかー」
「あ、はい」

それから歩いて再び浴槽へ。
……おかしい。全然状況が変わっていないですよ?
右腕は、依然お嬢様が抱きついたままで。しかも、夢の中とは違って直に肌と肌とが触れ合っ
いや、腕に感じるお嬢様の胸いやいやいや、とにかくこの感触については深く考えない。追求しない。
無心で、こう何気なく、さりげなく話を振って、隙をみて腕を抜くんだ!

ああ、でも折角こんな状況なんだしもう少しお嬢様の体の感触を堪能s

いかん! イカンイカーン!!
ダメだ、マズイ、もう既に頭のどこかが壊れはじめてきている!?

仕方がない、もう要らない事を口走る前に、核心部分を単刀直入に!

「あの、お嬢様。今日は随分、その……」

顔が赤くなっているのが自分でもよく解る。
不思議そうな顔をして私を見るお嬢様に、視線を右腕に向けて見せ、
暗に何故今日はこんなに私に密着するのですか、とさりげなく聞いてみる。

「あ、ああー。ごめんなー、いややった?」

質問を察したお嬢様が、頬を赤らめて慌てて離れた。

「あ……」

910 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/01/11(木) 23:35:15 ID:/JsAMxu5
>>909

うう、思わず声が出てしまったけど、残念じゃない、残念じゃないぞ! 煩悩を振り切るんだ!
葛藤する私の心を他所に、お嬢様は言葉を続けていく。

「せっちゃんと二人っきりで一緒のお風呂に入るのなんて、随分久しぶりやったから。」

そういえば、最近は一緒に入浴する機会自体は増えたものの、
大抵は明日菜さんや誰かしらが一緒だった気がする。
こうやって二人でゆっくり入るというのは、本当に久しぶりかもしれない。

「だからなー? ウチ、嬉しくてついついはしゃいでしまったんよ」

恥ずかしそうに、困ったように、眉尻を下げて笑うお嬢様。

「ほんと、ごめんな? せっちゃん」

私は、そんな笑顔に一瞬見蕩れ、

「い、いえ! いやな訳がありません!」

思わず本音が口から飛び出した。自分の頬がかなり熱くなっているのがわかる。

「私も、嬉しかったですから! だから……だ、大丈夫ですお嬢様!好きなだけどうぞ!」

さらに、私は勢いに任せてとんでもない事まで口走った。もちろん両手は大きく広げて、だ。
勢いとは言え、自分は一体何をやっているのかと思わないでもなかったけれど。
しかし、言ってしまった物は仕方が無い。覚悟を決めて、お嬢様の体を受け止める!

911 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/01/11(木) 23:35:52 ID:/JsAMxu5
>>910

意気込む私に、お嬢様はしばらく目を真ん丸く見開いて居たけれど、
すぐににっこりと、今度はまるで花開くように微笑んで。

「せっちゃん! ありがとう!!」

正面からぎゅうっと抱きしめられた。
その嬉しそうな表情に、思わず私も相好をくずす。
そしてお嬢様の背中に手を回そうとして、はたと気付く。

この体勢、夢の最後と……
気付いて、思わず体が固まる。

途端に意識されるのは、体の上の柔らかな重み。密着した肌の温度とその感触。

あ。ダメだ。やっぱり、無理です。
鼻腔をくすぐる甘い香りに、思わずくらりと来た所で、

私はとうとう何かに、負けた。

今までずっと我慢を重ね、押さえ込んできた気持ちと煩悩。
それをすっかり突き抜けた先はなんだかとっても清々しい気持ちだったと思います。

「このちゃん……」

思わず昔の呼び名をつぶやいて、両手を背中に這わせた所で。

腕の中のお嬢様の力が唐突に抜けた。

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